ホンダと大同特殊鋼株式会社が、重希土類のレア・アースを使用しない熱間加工ネオジム磁石を開発し、世界で初めて実用化することを発表しました。次期「FREED(フリード)」から採用を始め、新型車種に順次導入していくとのこと。
レア・アースとは?
希土類元素(きどるいげんそ)またはレア・アース(英: rare earth elements・REE)は、31鉱種あるレアメタルの中の1鉱種で、スカンジウム 21Sc、イットリウム 39Yの2元素と、ランタン 57La からルテチウム 71Lu までの15元素(ランタノイド)の計17元素の総称(元素記号の左下は原子番号)。周期表の位置では、第3族のうちアクチノイドを除く第4周期から第6周期までの元素である。
出典:wikipedia
です・・・
ハイブリッド車にレア・アースが使用されている
ハイブリッド車のモーターには、ネオジム磁石という永久磁石の中でも最も強力な磁石が使用されています。ネオジム磁石は熱に弱く、高温になると磁力が低下してしまうので、ジスプロシウムというレア・アースを添加してネオジム磁石の保持力を高めます。
今回、ホンダと大同特殊鋼株式会社が開発したのはネオジム磁石は、ジスプロシウムを添加しなくても耐熱性が高い磁石で、ハイブリッド車の駆動モータに使用可能な高耐熱、高磁力のネオジム磁石は世界初の実用化となる。
中国の輸出制限でプリウスが10万円値上げ
出典:http://minkara.carview.co.jp/
今まで通り、ネオジム磁石にジスプロシウムを添加して耐熱性を高めればいいじゃん!と思う人も多いかと思いますが、ジスプロシウムの99%が中国で産出されており、2011年に中国が輸出制限をした影響で、ジスプロシウムの価格は10倍以上に高騰し、トヨタ自動車はプリウスを10万円値上げすることになってしまったのです。
今回、ホンダと大同特殊鋼株式会社が、重希土類のレア・アースを使用しない熱間加工ネオジム磁石を開発したことにより、中国からジスプロシウムを輸入しなくてよくなるため、価格の高騰や調達の不安定リスクがなくなり、コストも軽減されるとのこと。