出典:日本ガイシ
排気ガスには、さまざまな大気汚染物質が含まれているのはご存知でしょうか?
大気汚染物質が発生しないようにするのが一番ですが、現状でどうしても発生してしまいます。
そのため、排気システムには排気ガス浄化装置が備えられ、大気汚染物質を取り除き排気ガスを排出しています。
この記事の目次
ガソリンエンジンの排気ガス浄化方法
ガソリンエンジンには、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の3種類の大気汚染物質が含まれており、これらの物質は三元触媒を利用して相互に化学反応を起こさせることで、安全な物質にかえることができるため、触媒コンバーターによって排気ガス浄化が行われている。
ディーゼルエンジンの排気ガス浄化方法
黒煙などの粒子状物質(PM)が加わり、さらに3種類の大気汚染物質の比率がガソリンエンジンより窒素酸化物の比率が高いため、三元触媒では浄化できない。
粒子状物質をフィルターで取り除くDPFと、窒素酸化物をまとめて処理するNOx後処理装置を組み合わせたものが多く使われている。
後処理装置には尿素SCRシステムやNOx吸蔵触媒などが開発されている。
尿素SCRシステム
尿素水を排気中に噴射することにより高温下で加水分解させアンモニアガスを得てアンモニアがが窒素酸化物と化学反応することで窒素と水に還元される仕組み。
NOx吸蔵触媒
排気ガス中にあるNOxを一時的に吸蔵し、N2化する触媒
触媒
その物質自体は、化学変化を起こさせないが、周囲の化学変化を促進させるもの
空燃比センサーや酸素濃度センサーでの監視
三元触媒で完全に浄化するためには、ガソリンが理論空燃比で完全燃焼し、酸素が残っていない状態が理想である。
そのため、現在のガソリンエンジンは理論空燃比での運転が基本とされれている。
さらに、空燃比センサーや酸素濃度センサーでも排気ガスが監視され、浄化が完全に行われるようにコンピューターが燃料噴射などを制御する。
排気温センサーでの監視
触媒コンバーターは一定以上の温度にならないと正常に機能しないため、排気ガスによって温める必要がある。
しかし、触媒コンバーターは過熱にも弱く燃焼しきれない燃料が流れ込んだりすると内部で燃焼が起こり高温状態になり、破損が起こったり、車両火災の原因になることがある。
そのため、排気温センサーによる監視も行われている。