トヨタ自動車がSUBARUと共同開発した「86」は、スポーツカーとして優れているが、どの競技においても純正のエンジンを積んでいる人はいないだろう。少なからず全日本ドリフト選手権 (通称:D1グランプリ) では、純正「FA20型」水平対向4気筒エンジンを搭載している選手はいない。
「FA20型」というエンジンは、最大出力207ps、最大トルク21.6kgmを発揮する。競技に出ないのであれば全く問題ないが、競技に出るとなると話が変わってくる。これは「86」に限らず、どの車種にも言えることだ。しかし「86」は車両重量が軽いというメリットもある。そんな理由から「86」に高出力エンジン「2JZ-GTE」などを載せ替える人が多い。
恐らく、米国で開催されている「フォーミュラ・ドリフト」で優勝経験のあるライアン・ターク選手も同じ考えだろう。彼はトヨタ「86」に、フェラーリ「458イタリア」のエンジンをスワップした「GT4586」を公開している。
「86」に「VR38DETT」を搭載!
そして、日本に「86」にとんでもないエンジンを搭載しようとしているところがある。それは、日産「GT-R」などのスポーツカーをメインにチューニングパーツを販売している「Do-Luck(ドゥーラック)」だ。
ここでは現在、トヨタ「86」に 日産「GT-R (R35) 」のエンジン「VR38DETT」が積まれようとしている。元々「86」に積まれている水平対向エンジンは「フラットエンジン」と呼ばれるほど全高が低い。そのフラットエンジンが積まれている「86」に、3倍近く高さがある「VR38DETT」を搭載するこということが、どれだけ大変なのかは車に詳しくない人で何となく想像つくだろう。
しかも、純正の「VR38DETT」を搭載するわけではない。「タービン」「コンロッド」「ピストン」などが、HKS社のパーツでチューニングされており、排気量は 3.8L から 4.1L に拡大されている。現段階の想定で最大出力は1000馬力を超えるとのこと。
足回りは「Wisefab(ワイズファブ)」のアームに変更し「DG-5」の車高調が装着されている。他にはハブを変更し P.C.D.を 100 から 114.3 に変更するなど細部までカスタマイズが施されている。
外装は「8Beat」にも参戦している「プロコンポジット」が製作したドライカーボン製のボディキットが組まれる。エンジンのメンテナンスからチューニングは全て「Do-Luck」で行っている。この車両には、自動車アフターパーツメーカー「LYZER(ライザー)」と、エンジンの型式「VR38DETT」、車両の「86」から「LYZER VR386」という名が付いており、D1グランプリ「Team TOYO TIRES DRIFT Do-Luck」で活躍する予定だ。
※イメージ画像
車名:LYZER VR386
早ければ、9月30日 (土) 、10月1日 (日) に開催されるFIA公認のドリフト世界一決定戦「FIA Intercontinental Drifting Cup」が初公開となる。
■FIA Intercontinental Drifting Cup 2017 概要
日時:2017年9月30日 (土)・10月1日 (日)
場所:お台場特設会場
主催:株式会社サンプロス
URL:http://fiadriftingcup.com/2017/