出典:ラテンオタクのネタ探し
皆さんこんにちは。皆さんは「世界一貧しい大統領」をご存知でしょうか?
この人は、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領です。
リオ会議では、経済の拡大を目指すことへの問題点について話したスピーチは、日本でも絵本になるほど有名となりました。
彼の生き方、考え方は世界の多くの人々の胸を熱くさせました。
2015年の2月末に惜しまれながら引退するまで、彼はウルグアイの第40代大統領として世界の人々の心に残るメッセージを多く残しました。今日はそんな彼の愛車にまつわるお話をご紹介していきたいと思います。
なぜ世界一貧しいと呼ばれているか?
彼は大統領報酬の90%を貧しい人々や零細企業向けのチャリティに寄付をしてしまい、毎月自身の手元には、1000ドル(日本円にしておおよそ11万9千円ほど)のみを残して生活をしているのです。
単純に計算してしまえば、100万円の月収のうち90万円を寄付してしまっているということです。考えられないですよね?銀行口座やクレジットカードも持っていないのです!
現役の大統領であった時期でも、ボディーガードは警察官2名と愛犬の“3本足の犬マヌエラ”のみでした。
大統領豪邸には暮さずに首都であるモンテビデオの郊外にあるなんとも質素な農場で奥さんとともに質素に暮らしています。
ムヒカ大統領の車
出典:愛車1億でも売りません – サッと見ニュース – 産経フォト
彼の個人資産は、知人から貰った18万円相当の1987年型フォルクスワーゲン・ビートルだけなのです。写真を見て頂けるとお分かり頂けるように、決して大統領が乗る高級なきらびやかな車には見えないですよね。
車好きな皆さんの目にはこの車、どう映りますか?
このビートル、一時期はアラブの富豪が100万ドル(およそ1億1500万円ほど)を支払うとの申し出があったと話題にもなりました。
100万ドルなんて目がくらむ金額ですよね?
しかしムヒカ大統領は、この申し出に対し「友達に貰ったものだから、売れば友達を傷つけることになる」と拒否したのです。そもそも100万ドルが手元に入っていたとしても彼はその全てをホームレスの住居をサポートするプログラムに募金する予定だったようです。
彼は自分が生存している限りこのビートルは車庫で眠り、時々散歩に出ると言っています 。
冒頭で絵本になったとお話ししたリオ会議でのスピーチでは、彼はこんな事を話しています。
ムヒカ大統領の心に残るメッセージ
出典:ニッケイ新聞
「ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるでしょうか?」
「貧乏なひととは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
「私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。」
「発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。」
私が彼の存在を初めて知ったのは、テレビ番組で彼の特集を見た時でした。
あるヒッチハイカーが何台もの車が通りすぎる中、やっと停車して乗せてくれた車がなんとムヒカ大統領のビートルだったという話、テレビ番組の取材中に近づいてきたホームレスの男性にお金を恵んだ話が印象的でした。
後に興味を持って彼の事を調べているうちに彼があの時恵んでいたお金は10万円の生活費の中から出したものだったんだと思うと、とても感動しました。
世界一お金を持っていない大統領ですが、世界一豊かな心を持っているといっても過言ではないでしょう。
ムヒカ大統領のように私達も愛車を大切にしていきたいですね。